一度、バイクに乗ろうとした際、ハンドルに「15万円で買い取ります」という紙が貼られていました。裏面には住所や電話番号が記載されていたため調べてみると、店は実在せず、電話番号もまったく別業種のものでした。

不審に思ってさらに調べてみると、同じような紙についての情報が検索結果に出てきました。そこには「プロの窃盗集団による下見ではないか」という説もあり、一定期間そのまま貼られていた場合、あまり乗られていないバイクとして目を付けられる可能性があるため、すぐにはがした方がよいとのことでした。
真相は知る由もありません。 ただ、この出来事のおかげで、できる限りの防犯対策を徹底することが大切だと感じ、たどり着いたのが以下の対策です。(それ以降そのような紙は貼られなくなりました。)
※本記事で紹介する防犯対策は、盗難を完全に防ぐことを保証するものではありません。盗難リスクを低減することを目的としたものです。 ※本記事には、一次写真とイメージ画像を含みます。
結論
- プロの窃盗集団ほど時間、手間、リスクを嫌う →『人目がつくところに駐車』『搬出しにくい環境』『複数の防犯手段を講じる』『カバーをしてバイクを特定させない』 =「盗むのが面倒なバイク」と思わせること
- プロ以外の窃盗犯ほど、無計画であり、素人であることが多い →『物理的な防御』=「盗めない」とあきらめさせること
これらがポイントだと思われます。そして最も大事なのは、「常に防犯意識をもつこと」が重要だと考えます。

これらの対策を実行することで、盗難被害に遭うリスクは低減すると考えられます。 そしてすべてのオーナーがこうした対策を実践すれば、結果としてバイクの盗難件数の減少につながるのではと思います。
防犯対策の視点
防犯対策には4つの視点があると思います。
①抑止
1つ目は、抑止です。つまり「発見リスク」を高める状態を作り、「面倒なバイク=防犯意識が高い所有者」と思わせることです。 そのためには、大きく2つの方向からアプローチできます。 1つ目は、防犯グッズによる対策です。

- 大音量アラーム付きディスクロック
- チェーン(太く頑丈なもの)
- 人感センサーライト
など複数の防犯グッズによる対策が有効です。 2つ目は、駐車場所の環境です。

- 人目がある
- トラックでの搬出がしにくい
- 防犯カメラ
- 夜間照明
など、いつ車や人が来るか分からないと思わせる環境や、狭くて(バイクを持ち去るための)大型車両を使いにくい環境が有効です。
②時間稼ぎ
2つ目は、物理的な防御によって、犯人がバイクを盗むまでの時間を稼ぐことです。


- バイクコンテナの シャッターキー
- 地球ロック
など、地面に固定されているものや、構造物に固定されているものは、必ず破壊作業が必要になります。 そのため、犯人に作業時間を強制的に与え、発見されるリスクを高めることができます。 ※逆に、チェーンなど単体の防犯対策は、バイクごと持ち去られてしまえば意味がありません。持ち去れる状況であれば、わざわざその場でチェーンを切断する必要がないため、時間稼ぎにはなりにくいです。
③特定防止
3つ目は、車種や装備を隠し、下見段階で対象を特定されにくくすることです。

バイクカバーをして、風でとばされないようラッシングベルトでしっかり固定することが有効です。
防犯グッズ(防犯効果:非常に高い◎ 高い〇 補助的△)
防犯グッズ単体で防犯効果が高いものは限られますが、組み合わせることで一層高めることができます。
地球ロック ◎
・車体を「持ち去れない状態」にできるため、最重要の防犯グッズ。
・台車で転がしてトラックへ積載するような手口を物理的に防ぎ、犯行に必要な時間を稼げる。
・マンションなどでは固定できる場所が限られ、設置が難しい場合がある。
※重要なのは、破壊時の「音の大きさ」と「作業時間」です。そのため、チェーンや地球ロック自体が頑丈でも、鍵部分の強度が低い場合などは、そこを狙われることで、想定しているほどの時間を稼げない可能性があります。購入時は、「最も弱い部分の強度」を確認することが大切です。
バイクカバー+ラッシングベルト ◎
- 車種や改造内容を隠し、下見段階で対象から外させる効果が大きい。
- 「車種やロックの数」を隠して下見の段階で諦めさせる。
- 下見対策として重要
※バイクカバーだけだと、強風でバイクが転倒したり、風でカバーが飛ばされたりするリスクがある。固定補助や、台風などの転倒防止効果としてラッシングベルトも必須。(別記事工事中)
大音量アラーム付きディスクロック+リマインダーケーブル ◎
- 動きを検知し大音量を響かせることができ、音による発見リスクを高める。
- プロの窃盗団ほど、こうした機能について把握しているため、存在だけで強力な抑止力となる。

※バイクカバーと併用している場合、ディスクロック自体が見えにくくなるため、抑止効果を高める上でもリマインダーケーブルの装着が重要となる。
チェーン 〇
- 太いほど視覚的な抑止力となる。
- 素人の窃盗犯には、物理的な防御として機能。
- プロの窃盗団の場合、チェーンをつけたまま台車で持っていってしまうため、物理的な防御としても機能させる場合は、必ず地球ロックと組み合わせること。
- ※防御力はチェーン・固定物・ロック部、等のうち、一番弱い部分の強度で決まります。「太いチェーンだから安心」と思っていたが、実はロック部分が弱いというケースがあるため、購入時はそこの質もチェックすることが大事。
人感センサーライト △
- 夜間の戸建てなどで近づく犯人への抑止になる。
- ただし、プロは下見でライトの位置や死角を把握して対策してくるため過信は禁物。
GPSトラッカー(セコム、スマートタグ等)△
・防犯グッズではないが、万が一盗難に遭った際の発見の可能性を高める補助策。
※セコム(ココセコム)は月980円(※プランによる)で利用可能。スタッフが急行でき、自分でもアプリを活用し、バイクの場所の特定ができる。(※ココセコム本体の充電切れに注意)

駐車環境(防犯効果:非常に高い◎ 高い〇 補助的△)
本来、防犯グッズ以上に重要なのが、駐車環境です。 例えば、 周辺一帯に誰もいない 防犯カメラなどの防犯設備がない といった環境では、バイクにどんな防犯対策をしていても、ほぼ無意味です。 人目を気にする必要がないため、プロであれば必要な道具を使い、十分な時間をかけて確実に持ち去っていってしまうと思われます。 そのため、まずは自分が駐車している場所が防犯上どれくらいリスクがあるのかを意識することが大事です。 ※その結果どうしてもリスクが高いと判断した場合は 「駐車場所の移動」 「駐車場所に対して防犯対策を施す」 なども選択肢の一つです。
そこで駐車場所の防犯効果に影響すると思われる3つの視点について考えます。
物理的に侵入しにくい環境 ◎

- 頑丈な電動シャッター (入居者専用リモコン等)
- 監視センサーの設置(自動通報システム)
- 高い塀に囲まれていて、正門には電気錠の頑丈な門扉。
こうした高級マンションや豪邸にみられるような環境が整っていると、そもそも駐車スペースに行くまでに時間がかかり、犯人にとって物理的にも心理的にもハードルが非常に高いです。
人目がある環境 △
※街中だと当てはまらない場合あり。例:犯人があまりに堂々としていると怪しまれず盗まれることもある。

- 24時間在中の管理人・警備員室 (不定期巡回もあり)
- 日中も夜間も人・車の往来がある
- 住戸から見える位置
- 夜間照明
- 防犯カメラ(※24時間有人監視の場合)
防犯効果を高めるには、発見リスクを高めることが大事です。犯人視点では、「いつ誰が来るか分からない」と思わせる環境が抑止になり、効果的です。
搬出しにくい環境 △

- 大型車両が入りにくい
- 道幅が狭い
- 短時間で持ち出せない
組織的な窃盗では、短時間で積載・搬出できない環境は大きなデメリットとなるため、大事な視点です。
人目がある環境 + 搬出しにくい環境 〇
最も防犯効果が高いと思われる「侵入しにくい環境」に停められることは稀です。そのため現実的には、人目がある環境と搬出しにくい環境を組み合わせて、できる範囲で環境を調整し、防犯効果を高めるのがよいと思います。

駐車環境の盲点
「塀に囲まれたガレージシャッター付きの戸建て」や「頑丈なバイクガレージ」は物理的な防御力もあり、バイクカバーのような特定防止の効果もあります。しかし2点、大きな留意点があります。
①閉鎖環境: 一見特定防止の効果もあり、安全と思われるが、もし侵入されてしまうと外からは中の様子がみえないため、逆にそれが仇となり犯人にとって隠れみのになってしまいます。 環境に安心せず、複数の防犯対策と併用することが必要である。
②物理的な防御策では、最も弱いところが狙われる: ガレージシャッターや地球ロックなどがどれだけ丈夫でも、狙われるのは鍵・ロック機構等、最も弱い部分。ピッキングや鍵の不正利用等様々な手段で突破されるリスクもあるし、破壊という強硬手段も、強固なチェーン切断と比べれば、必要な時間は短くて済むことが考えられる。 特にレンタルバイクガレージの場合、立地環境が人目が少なく、犯人が作業しやすい環境が多い。防犯カメラ他複数の対策を併用し、犯人の犯行動機を上回る強力な抑止が必要である。
防犯意識 (防犯効果:非常に高い◎ 高い〇 補助的△)
防犯対策の要は、防犯対策そのものよりも、「常に防犯意識をもつこと(※特に対プロの窃盗団に対して)」が重要だと考えます。 例えば以下のよう防犯対策だけをしているとします。
- バイクカバー使用。
- 地球ロックを使用。
- セキュリティが強固な高級マンションに停めているだけで防犯グッズは不使用。
特に駐車環境における防犯設備が充実している場合は、非常に高い防犯効果を発揮する可能性をもっています。 しかし、対策がそれ単体のみで、そこに安心感をもってしまうと途端に防犯効果は◎→△へと下がっていきます。 ポイントは 『プロの窃盗団は人の心理を利用する。』ということです。 そうした「安心」につけこむのが、プロの窃盗グループだと思います。
実際の事例
ライダーの方は『昼間で人通りが多いから安心』 周囲の人たちは『(窃盗団が)堂々としているから窃盗犯ではないだろう』という心理を利用して、大型車を使い複数人で街中で白昼堂々バイクを盗みだす事例もあるようです。(国内外を含めて)
そのため、常に防犯意識をもつことがキーとなります。 これは、自宅の駐車時だけではありません。盗難リスクは街中や滞在先のホテルなどでも同じです。
街中や滞在先のホテルでの防犯対策例:(私の場合)
・ホテルでは、バイクカバーをはじめ、持ち運べる防犯グッズを複数組み合わせて対策します。
・コンビニの利用では、防犯意識はありますが、最小限にとどめます。数分の利用でバイクカバーをしていると、もはやTPOとして不審にすら思われるかもしれませんので💦
・一時利用できる管理人さんがいる駐車場では、短時間でもバイクカバーをしばすが、しばしば「あ~ 泊り~?」と言われたりもします💦
防犯意識を高めるとは、このように様々な場面で常にリスクを意識して行動することだと考えます。
防犯意識と楽しいバイクライフのバランス
一方で、『 防犯意識と楽しいバイクライフのバランス』も同じくらい重要です。 バイクを持っているのは、防犯のためではなく人生を豊かにするためだからです。 もし「防犯対策が面倒だから今日は乗るのをやめておこう」と、防犯を意識しすぎて疲れてしまい、バイクライフを楽しめなくなったら本末転倒です。
そこで私は、バイクライフを楽しむ上で支障のない範囲で防犯意識を高め、実践しています。
※防犯意識の醸成プロセス(私の場合)(工事中)
- 『そもそも盗難に遭う確率自体は低い』という事実をもとに、過剰に盗難リスクを意識しないようにしています。(※ランキングについて 工事中)
- 自分の駐車環境をふまえて現実的に施せる防犯対策を冷静に把握して、自分の環境における有効な防犯対策を考えています。
- 特に外出時はそれなりの譲歩が必要になるため、譲歩したことへの覚悟をもちます。 ※つまり盗難保険必須(別記事参照工事中。水難保険。車両保険ワイド。任意保険にも加入。)※GPS必須(少しでも発見の確率をあげます。) ※大音量のアラームディスクロックは必須(抑止としても、万が一の時の発見リスクをあげるためにも)
- バイクカバー必須
防犯対策にエネルギーを使わない工夫ー一石多鳥の精神ー
私は、防犯対策をするときは、防犯以外のメリットも見出すようにしています。それを意識することで、『わざわざ防犯対策をしている』感覚を軽減できます。
バイクカバー対策をする場合
- 雨避け
- 日差し避け
- 隙あらばクッションの上で寝ようとする猫避け他のバイクに紛れたとき、遠くからでも目立ち発見に役立つ。(初めていく広い大型バイク駐車場などで。リマインダーケーブルと合わせるとよい。) など防犯面以外にも多くのメリットがあります。
GPSセンサーを活用する場合
- ・万が一バイクの置き場所を忘れてもアプリで場所を確認できる。
- スタッフが現場に急行してくれる
- 他の件で緊急の時にもボタン1つで急行してくれる。
など、使い道が広がります。
人感センサーを活用する場合
- バイク周辺を明るくすることで、暗い場所で手元がよく見える。
- 窃盗犯以外の不審者にも抑止となる。
まとめ
仮に高級マンションのような防犯効果が極めて高い環境でも、オーナーの防犯意識が希薄ならそこに落とし穴がありますし、人目につかないところにあるバイクでも、オーナーが高い防犯意識があれば、結果的に防犯効果が高まった状況を作ることができると考えます。 したがって、どの環境下に駐車している人も、皆一様に防犯意識を高めること。 これが最大の防犯対策で、盗難件数が減っていくと思います。 それくらい窃盗集団は計画性があり、察知する力があるため、『物理的に盗めること』と、『実際に盗むこと』とは違うということであり、それゆえ抑止力が大事だと考えます。
